[メイン] アリス・カータレット : これは雪が深々と積る、とある田舎のお話。
[メイン] アリス・カータレット : 私たちは、そんな素朴で自然豊かなこの場所に旅行ということでお遊びに来たのでした。
[メイン] アリス・カータレット :
[メイン] アリス・カータレット : 「…う、ぅうう……さぶい!」
[メイン]
アリス・カータレット :
ふるふる、と体を震わせて。
旅館の玄関へと到着する。
[メイン] 東雲和音 : 「皆、忘れ物とかしてない?」
[メイン] 倉上ひなた : 「さっき確認したから大丈夫~!」
[メイン] アリス・カータレット : 「忘れ物……あ、手袋がなかった!」
[メイン] きりたん : 「ゲーム機とネット機器は持ってきました。あとはさすところさえあれば」
[メイン] アリス・カータレット : どおりでこんなに寒かったんだ!
[メイン] 倉上ひなた : 「え゛、マジで!?」
[メイン] 東雲和音 : 「手袋なら一応何個か用意してるわよ」
[メイン]
倉上ひなた :
「う~~~ん……あ、じゃあアリス!これあげる!」
ポケットをゴソゴソと……。
[メイン] 東雲和音 : 「見つかるか買いなおすまで使いなさい」
[メイン] 東雲和音 : ポン、と渡す
[メイン] アリス・カータレット : 見れば手が少し赤らんでいて。
[メイン] 倉上ひなた : 「はい!カイロ!使い捨ての!」
[メイン] 倉上ひなた : シャカシャカと振って熱くする、お決まりのやつを渡す。
[メイン] アリス・カータレット : 「はあ~い……あ、これ…!!」
[メイン] 東雲和音 : 「ちゃんと用意しているなんてひなたも偉いわね」
[メイン]
アリス・カータレット :
手渡された手袋、そしてカイロを見て。
ぱあっと顔を輝かせる。
[メイン]
倉上ひなた :
「にしし~!いぇ~い!」
東雲に嬉しそうにピースサイン。
[メイン] きりたん : 「この時期は体の末端組織の脆弱さを感じますね」
[メイン]
アリス・カータレット :
「えっへへ……二人ともありがとう!」
にっこり笑顔で返し。
[メイン] 巻き毛 : 「もし体の芯まで温まりたい時は……はい! お茶会開けるぐらい、紅茶の葉もいろいろ持ってきたので、遠慮なく私に声をかけてくださいね!」
[メイン] 東雲和音 : ニヤけそうなのをなんとかこらえる。
[メイン] アリス・カータレット : しゃかしゃかカイロを振っている。
[メイン] 倉上ひなた : 「いいってことよ~!旅は道連れ世は情け!って言うしね~!」
[メイン] 東雲和音 : 「…ごほん、そう、助け合うのは当然よね」
[メイン]
倉上ひなた :
そう言ってるひなたも、鼻元が若干赤くなっている。
やはり寒いものは寒いようだ。
[メイン]
アリス・カータレット :
「あ、紅茶も確かにおいしそうかも……!それに暖まりそうだねっ!」
[メイン] きりたん : 「コーラはないのですか?」
[メイン] アリス・カータレット : ほわ~、と温まってきたカイロを持ちながら。
[メイン] GM : choice ある ない ドクペ (choice ある ない ドクペ) > ドクペ
[メイン] 倉上ひなた : 「コーラか~~!あ!ホットコーラとかあると嬉しいよね!」
[メイン] 東雲和音 : 「雰囲気には合わなそうだけど…どうなのかしら…?」
[メイン] 巻き毛 : 「コーラ……あっ、すいません……そこまで気が回らなくて……旅館に自販機があったらあるかもしれませんね!」
[メイン] きりたん : choice 好き 嫌い 普通 (choice 好き 嫌い 普通) > 嫌い
[メイン] GM : ドクペならある
[メイン] きりたん : 「コーラのパチモンじゃないですか」
[メイン] アリス・カータレット : 「……あっ……ひなた、一緒に使おうよ、それなら!」
[メイン]
倉上ひなた :
「……ありゃ、これ不味いやつじゃん」
ドクペしかない自販機を見て。
※個人差あります。あくまでひなたの感想です。
[メイン] きりたん : 「いえ別にそこまでは、はやりに乗ってみたかっただけですので」
[メイン] アリス・カータレット : カイロをそっと向ける。
[メイン] 東雲和音 : 「な…なんでドクペだけ…?」
[メイン] 巻き毛 : 「あ~~……私も、ちょっと飲んだことがあって……杏仁豆腐の飲み物なんでしょうか? でも横文字ですよね……」
[メイン]
アリス・カータレット :
「め、珍しい……」
そんな自販機なんてあるんだ……
[メイン]
倉上ひなた :
「……お!それグッドアイデア!じゃあ……ぎゅ~~!」
アリスが持つカイロの上から手を握る。
[メイン] 倉上ひなた : おぉぉ~~温かい~~~~。
[メイン] きりたん : 「たぶんこの旅館が有名なものが嫌いな病気にでもかかっているのでしょう」
[メイン] 東雲和音 : なんだこれ…なんだこれ…尊い…
[メイン] アリス・カータレット : 「あ、荷物置いたらお外で雪だるま作らな………ほわああああ~~~!!?」
[メイン]
倉上ひなた :
「って、うわぁ!?いきたり叫んでどったの!?」
目を少し見開いてアリスの方へ。
[メイン] 東雲和音 : 「これもお仕事を頑張ったご褒美なのかしら…!?」
[メイン] アリス・カータレット : びっくりして、声を上げる。
[メイン] 東雲和音 : 「…!どうかしたの…?」
[メイン]
倉上ひなた :
って、東雲先輩も何故か興奮してる!?
にゃんで……!?
[メイン] アリス・カータレット : 「え、あ……驚いちゃって……あはは~…」
[メイン]
巻き毛 :
あっ、いいな。二人がたった一つのカイロ(きっとまだあると思うけど)であったまりあってるのを見て、ちょっと妬いちゃうかも。
なんで私、お茶会に拘っちゃったんだろ……自動販売機にカイロ代わりになりそうな熱々の飲み物もないし……紅茶はお湯沸かさなきゃ……
[メイン] アリス・カータレット : まさか握られるとは……
[メイン] 巻き毛 : 「ぶつぶつぶつ……」
[メイン] 倉上ひなた : 「そ、そう?……うぅむ、何かあったら、ちゃんとみんなに言ってね?心配だよ~」
[メイン] 倉上ひなた : ……ま、巻き毛ちゃんも、今日はなんか雰囲気がすごいな……!
[メイン] きりたん : 「とりあえず部屋に行きませんか?とても寒いし…このきりたんぽ背負うのけっこう腰に来るんですよ」
[メイン] 東雲和音 : 「ま…まあ…温めあった方がいいわよ?寒くてたまんない、ってことにはならないほうがいいし」
[メイン] アリス・カータレット : でもイギリスでも……これくらいのスキンシップ、普通…かなあ……?
[メイン]
倉上ひなた :
「あ、賛成~!」
きりたんにもう片方の手を挙げる。
[メイン] アリス・カータレット : むむん、と頭をかしげながら。
[メイン] アリス・カータレット : 「あ、そうだね!」
[メイン] 倉上ひなた : ひなたはというと、特に気にせずアリスと手を繋いだまま。
[メイン]
巻き毛 :
「あっ、ですね!」
顔をふと、あげて……咄嗟に笑みを作る。
[メイン] 東雲和音 : 「いつまでも玄関にいるわけにもいかないし、さっさと向かいましょうか」
[メイン] 倉上ひなた : 「それにしてもきりたん、今日はこの旅行に付き合ってくれてありがとうね!」
[メイン]
アリス・カータレット :
あわわわわわ。
日本ではこれが一般的……なのかなあ……!?
[メイン] 倉上ひなた : 「やっぱ、ほら……ね?人数は多い方が、旅って楽しいし!」
[メイン] きりたん : 「引っ張り出されなければ来ていませんよ…ブツブツ」
[メイン] 倉上ひなた : きりたんが、あまり学校へ来ていないことは言葉として出さず。
[メイン]
アリス・カータレット :
「…そうだねっ、いこいこう!」
荷物を持ち、予約していた一室へと向かう。
[メイン] 東雲和音 : 「珍しいわね、こんなところまできりたんが出てくるの」
[メイン]
倉上ひなた :
「あ、あはは~……」
う、う~ん……迷惑だったかなぁ……。
[メイン] 倉上ひなた : そう思いながら、アリスと歩幅を合わせ、部屋へと向かう。
[メイン] アリス・カータレット : むう、きりたんも私が旅行に誘ったんだし、楽しんでくれてるといいんだけど……どうかなあ。
[メイン]
きりたん :
「さあ始めますか…!」
今までの動きが嘘のようにてきぱきと説明書片手にテレビにゲーム機の配線をつなぐ
[メイン]
東雲和音 :
「…えーと、ここでいいの?」
一室の前で足を止めて
[メイン] 巻き毛 : 「はい! ここでいいと思います」
[メイン] アリス・カータレット : 「ふぉおおお~~……ここがジャパニーズ和室!!」
[メイン] 倉上ひなた : 「あ、そうみたいですね東雲先輩! ……って、きりたん~!?」
[メイン] アリス・カータレット : 目を輝かせて、辺りを見回している。
[メイン] 倉上ひなた : 部屋へずんずんと入っていくきりたんを見て。
[メイン] 東雲和音 : 「あらあら、せわしない…」
[メイン] きりたん : 「あとは炬燵があれば最高なんですが……」
[メイン]
巻き毛 :
ふわりと、巻き毛を揺らし。
「こ、炬燵……旅館ですからさすがにありますよね……?」
[メイン] 倉上ひなた : ええ~~~!!こんな綺麗な雪景色が見れるところに来たのに、ゲーム~~!?
[メイン]
倉上ひなた :
「んむぅ~」
少し不機嫌そうに、頬を膨らませながら。
[メイン] アリス・カータレット : 「すごいすごい!あっ、みかんもある!お菓子も!」
[メイン] 東雲和音 : 「場合によるんじゃないかしら…?東京だともうそんなに見ないし…」
[メイン]
倉上ひなた :
……まぁでも、うちらが強引に誘っちゃったわけだし……
文句を言うのも、良くないよね……。
[メイン] GM : まああっていいんじゃないでしょうか
[メイン] 巻き毛 : 「そうですよ! もったいないですよ~……でも私、きりたんさんの様子をこうやって確認できただけでもうれしいですよ」
[メイン] 巻き毛 : 「あっ、ほら! 炬燵ですよ! きりたんさん」
[メイン]
きりたん :
「!ありました!こたつ!」
すぐさま中に飛び込む
[メイン] アリス・カータレット : ぱたぱたと、炬燵の上にあったみかんを手に取りながらも。
[メイン]
倉上ひなた :
「ん、あ、ほんとだ!この旅館、気が利くね~!」
部屋に置いてあるお菓子を手に取り。
[メイン] 東雲和音 : 「あったまる前に、きちんと荷物を整理しましょう?」
[メイン]
アリス・カータレット :
「みかんは凄い!甘くっておいしいんだよ~!」
みかんを手に持ち、ほおずりしながら
[メイン] きりたん : 「私の城は完成しましたよ…!」
[メイン] 東雲和音 : こ、こういう時は早いのねこの子…
[メイン]
倉上ひなた :
「お、早速食べてるね~!私にも一つちょーだい!」
アリスに。
[メイン] 巻き毛 : 「お湯も沸かせそうですね? これで紅茶を淹れられます! こんな和の彩りに紅茶というのは場違いかもしれませんが……」
[メイン] アリス・カータレット : 「整理……はぁ~い……あ、もちろん!」
[メイン] 巻き毛 : ということでさっそく、私は紅茶を淹れようとてきぱきと動き始める。
[メイン] アリス・カータレット : むきむき、むきむき。
[メイン]
倉上ひなた :
「あ、は~い!荷物は……ここらへんでいいかな?」
東雲先輩に頷き、適当に荷物を置き。
[メイン]
きりたん :
「飲めれば変わらないのでは?」
炬燵の中から頭を出していう
[メイン]
アリス・カータレット :
「どーぞ!」
手に取って、半分をひなたへと。
[メイン]
東雲和音 :
「そうね、まとめて置いておきましょう」
ひなたに指示。
[メイン]
倉上ひなた :
「おぉ~~!果肉が潤ってるね~!さすが雪国!」
アリスの剥いたみかんを見て。
[メイン]
倉上ひなた :
「じゃあ、あ~~~ん」
アリスに向けて、口を開ける。
[メイン]
アリス・カータレット :
「そんなに寝てばっかりだと……牛さんになっちゃうよ?」
きりたんの方へと向きながら。
[メイン]
東雲和音 :
「どうなのかしらね…和洋折衷とも言うし…」
お茶の葉をぱんぱんと。
[メイン]
アリス・カータレット :
「え、ええっ……あ、あ~ん……?」
どうやるんだろう、口を開けてるから……この、まま……!?
[メイン]
きりたん :
「他人に養われるのはいいですがゲームとネットができないのは考え物ですね」
それでもこたつからは出ない
[メイン]
アリス・カータレット :
「えぃっ!」
ひょいっ。
[メイン]
倉上ひなた :
んへへ~~、アリスは反応が可愛いからな~!
ちょっとした悪戯~♪
[メイン] 倉上ひなた : 「ぱくっ!」
[メイン] 倉上ひなた : アリスの困惑した表情を見ながら、ニヤニヤとして。
[メイン]
アリス・カータレット :
「ほ、わわあああ……」
こ、これでいいんだよね、合ってるよね……?!
[メイン] 東雲和音 : はぁ~~~~~!!!!!!……いい……
[メイン]
倉上ひなた :
「ん~~!美味しい~!ご馳走様~♪」
二重の意味でね!にしし~!
[メイン] 東雲和音 : 2人の様子をニヤケ顔で眺める。
[メイン]
巻き毛 :
「わびさび、ですね! ……わびさびって何なのかよくわかってませんけど」
紅茶の色が徐々に広がっていくのをじっと見つめながら少しして、私も荷物を整理し始める。今度は二人の仲をじっと見つめながら。
[メイン]
きりたん :
「さてさて、誰かゲーム機の電源を入れてください」
コントローラーを手元に持って完全に体制にはいる
[メイン]
アリス・カータレット :
「あ、荷物荷物……」
ぱたぱた、と所定市に荷物をぽふん。
[メイン]
倉上ひなた :
……ぬぉわ!また東雲先輩の視線!!
今日は、すっごくテンションが高い日なのかな……?
[メイン] 東雲和音 : こういうところまできて女の子同士の絡みが見れるの、旅行を企画した甲斐があるものね…!
[メイン]
倉上ひなた :
「あ、荷物整理ありがとうねアリス~!」
そういうひなたは、手を振るだけ振り、炬燵に足を入れたまま一歩も動かず。
[メイン] アリス・カータレット : 「わびさび、っていうのはね!質素で簡素なものがきれ~!ってなることなんだよ!」
[メイン]
巻き毛 :
「あ、ゲーム機の電源……スイッチって……どこですか? すいません疎くて……」
炬燵から出てるのは私と東雲先輩だけなので、東雲先輩の目の保養を邪魔しないように。
[メイン] 東雲和音 : 2人を眺めつつ紅茶の手伝いをしている。
[メイン]
アリス・カータレット :
ふふん、と自慢げに語りながら炬燵に足を入れる。
最近覚えたんだ~!
[メイン]
倉上ひなた :
「へぇ~!新種のわさびじゃないんだ~!」
アリスの解説を聞きながら、お菓子をポリポリ。
[メイン]
きりたん :
「そのでっぱりのついたのを上にあげるだけでいいです」
横柄に指示を出す
[メイン] 東雲和音 : 「アリス、そんなことまで覚えて偉いわねえ…」
[メイン] 巻き毛 : 「そうなんですね! たしかに……質素で簡素な物……いいですよね! ごちゃごちゃもやもや……わかり辛い事ばかりの娑婆社会だと、そういうものほど綺麗に見えますよね!」
[メイン] 倉上ひなた : 「アリスはイギリスから来たのに、日本のこと色々知っててすごいなぁ~!」
[メイン]
巻き毛 :
「こ、これですか?」
でっぱりのついたスイッチを上にぱちんっと上げる。
[メイン]
アリス・カータレット :
「えへへへ~~」
褒められてまんざらでもない顔。
というか、照れている。
[メイン] 東雲和音 : かわいい…!!!
[メイン] 倉上ひなた : ふ~~む……お人形さんみたいで可愛いよな~アリス……。
[メイン]
きりたん :
「グッドですよ巻き毛さん」
十字キーと四色のボタンのついたコントローラーを持ち、テレビ画面に没頭していく
[メイン]
アリス・カータレット :
「ごちゃごちゃもやもや……?よくわかんないけど、こういう所は落ち着くよねえ……」
炬燵の上に頭を乗せて、ぽふ~~、と息を吐いている。
[メイン] 倉上ひなた : なんとなしに、アリスのほっぺを人差し指で突っつきながら。
[メイン] 東雲和音 : つ、突っついた…!ひなた…!?
[メイン] アリス・カータレット : 「ふへ」
[メイン] アリス・カータレット : 「ふにゃぁん!?」
[メイン]
倉上ひなた :
「ん、そうだね~、やっぱコタツはぬくぬくだ~ぃ、うぇへへぇ~」
足元から伝わる熱に蕩けていくように、テーブルの上に凭れ掛かる。
[メイン]
巻き毛 :
「あはは、やっぱりきりたんさんって本当にゲームが好きなんですね」
テレビゲームに没頭し始めたきりたんを一瞥しながら、笑みを作っていると……ひなたがアリスを指で可愛くつっついていた。
[メイン] アリス・カータレット : びくりと体が跳ねて。
[メイン] 巻き毛 : 「…………いいなあ」
[メイン]
倉上ひなた :
「あはは~!何だよその反応~!」
アリスの声を聞いて、嬉しそうに笑い。
[メイン] 東雲和音 : 「のんびり…してるけど…!」
[メイン] 東雲和音 : 「す…すごい…!」
[メイン]
きりたん :
「ところでこの後は何をするんですか?まあ私は外にはいきませんが」
ピコピコとコントローラーをいじりながら
[メイン] 東雲和音 : 思わず声に出てしまう。
[メイン]
倉上ひなた :
ん~~~。
なんていうか、もっとイタズラしたくなっちゃうなぁ……!
[メイン]
アリス・カータレット :
「ひっひな、ひなたぁ……!?」
顔を赤らめ、ひなたの方を向きながら。
[メイン]
倉上ひなた :
「……え?」
東雲先輩の方を見て。
[メイン] 倉上ひなた : すごい?何のことだろう?
[メイン] 東雲和音 : 「え!?あ、あの…いや…!さ、最近のゲームってす、すごいわね~~~」
[メイン] アリス・カータレット : 「え、っ…あ、っそうだよぅ!みんなで雪だるまとか作っちゃおう!」
[メイン] 倉上ひなた : 「あ~~あはは~!ごめんってアリス~!ほら、みかんだぞ~!」
[メイン] 東雲和音 : ひらひらと、きりたんの方を指す。
[メイン] 倉上ひなた : そう言い、アリスの口元へみかんを一粒、持っていき。
[メイン]
巻き毛 :
「…………」
東雲先輩が紅茶を淹れるのを手伝ってくれながらも二人を目の保養にしてるのを他所に、こっそりまだ明らかな膨らみを残す荷物を必死にぎゅっっ、と押し込む。
[メイン]
アリス・カータレット :
慌てて逸らすように、目線をTVの方へ。
それに気を取られ。
[メイン] きりたん : 「いやいや東雲さんに最近のゲームかとかわからないでしょう。いかにも委員長タイプですし」
[メイン] アリス・カータレット : 口の中に、ぱくんと。
[メイン] アリス・カータレット : 「んむっ……」
[メイン]
倉上ひなた :
あ、なんだ、ゲームのことか~、それなら納得~。
なんて思いながら。
[メイン] 倉上ひなた : 「………おぉぉ」
[メイン] 倉上ひなた : 自分が、あ~んしたみかんを食べたアリスを見て、言葉が詰まる。
[メイン]
東雲和音 :
「いや、すごいわね、分かるわ」
きっぱりと
[メイン]
アリス・カータレット :
「ばいひゅうはれた……」
あむあむ。
[メイン] 倉上ひなた : ………うん……これは……超かわいい……。
[メイン]
きりたん :
「……これかなり昔のゲームなんですけど」
名をスーパーファミコンといった
[メイン] 東雲和音 : あ~~…いいわね…
[メイン]
巻き毛 :
「ふぅ……あっ、そろそろ色出たかな? 東雲先輩! 手伝ってくれてありがとうございます!」
荷物を無理やり押し込み隠すと、東雲先輩の傍に近寄る。ちょっと目の保養の邪魔になっちゃうかもしれないけれど。
[メイン]
アリス・カータレット :
んむう、ひなたってよく私に悪戯するんだから……
まあ、こういうの……嫌いじゃないけど……
[メイン] 東雲和音 : 「ゲームも楽しそうよね…っあ、巻き毛ちゃんもうそろそろ紅茶いい感じよ」
[メイン] 倉上ひなた : 「……あ、そうだ!せっかくここに来たんだし、後でみんなでこの旅館内、色々探索してみない!?」
[メイン] 倉上ひなた : パッ、と思い付きで。
[メイン] 倉上ひなた : 気分屋なひなたなりの、この地に来た思い出作りをしようという目論見である。
[メイン] 巻き毛 : 「うふふ、いい色ですねぇ……東雲先輩が淹れたから、なんだか私が淹れるよりも透き通ってるような……なんて!」
[メイン]
アリス・カータレット :
「あ、紅茶!おいしそう……!」
きらきらと、目の前にある輝く色に目を奪われながら。
[メイン] きりたん : 「パスで、君主が城から出るわけにはいきませんから」
[メイン]
東雲和音 :
「うふふ、誉め言葉もお上手ねえ」
少し口元が緩んでいる。
[メイン]
アリス・カータレット :
「……探検、かあ……」
お化け、とか……出てきたりしない……よね?
[メイン]
倉上ひなた :
「にゃんだとぉ~!このこの~!残機減っちゃえ!」
炬燵の中に手を忍ばせ、きりたんの足をくすぐる。
[メイン]
巻き毛 :
「探索、ですか? いいですよ! 私は……あっ、きりたんさんは来ないんですか? じゃあせめて紅茶でも飲んでください!」
綺麗に磨き上げて持ってきたティーカップを更に水に通して、綺麗に拭いて、そこに紅茶を注いで……トン、ときりたんの前に置いた。
[メイン] きりたん : 「おわぁあ~~~!ほんとに死んだ!やめてください!」
[メイン]
アリス・カータレット :
まだ夜じゃないし……でも和の旅館もいいかも……
なんてことを考えながら、うむむと。
[メイン] 東雲和音 : 「探索…あんまり旅館の人に迷惑かけないようにね?」
[メイン]
倉上ひなた :
「うりうりうり~~!!にししし~~!!」
それはそれは愉快そうに笑う。
[メイン] きりたん : 「サンキューです巻き毛さん。これで乾いて死ぬことはなくなりましたね。」
[メイン]
アリス・カータレット :
「ひ、ひなた!?やめてあげなよ!画面がずびゃーんってしてるよ!?」
[メイン] 倉上ひなた : 「あ、巻き毛ちゃん!私にも紅茶一杯!」
[メイン]
きりたん :
「やめてください!この!」
足で軽く手をける
[メイン]
巻き毛 :
「ふふふ……あっ、アリスさんも、ひなたさんも、どうぞ」
二人の仲を露骨に取り持つように、私は二人のは「お揃い」のティーカップに注いでいた。
[メイン]
倉上ひなた :
おっと!これ以上は本気で嫌がっちゃうね!
この辺でやめておいてっと……。
[メイン]
アリス・カータレット :
「あ、私も私も!」
緑茶もいいけど、紅茶も好きなんだ~私!
[メイン]
倉上ひなた :
「お~!アリスと同じデザインのカップ!」
そのまま口走る。
[メイン]
巻き毛 :
本当はこのお揃いのティーカップは私の為に用意したんだけど…………でもきっと無理だもんね。
それなら、ちゃんと仲がいい二人の為になる方がいいもんね。
[メイン] アリス・カータレット : 「ほわ…え、えええ!?こ、これ……!!お揃い、お揃い……」
[メイン]
東雲和音 :
紅茶をすする。
上品な香りが引き立っていて、この雰囲気の中でもきちんと主張してとてもいい感じだ。
[メイン]
倉上ひなた :
………?
巻き毛ちゃん、何だか少し……?
[メイン] アリス・カータレット : その二つを何度も見て。
[メイン]
きりたん :
「うまい!もういっぱい!」
情緒のかけらもなくおかわりを要求する
[メイン] 倉上ひなた : 「……ん~~」
[メイン]
東雲和音 :
「そんなに早く飲むと火傷するわよ?」
言いながら、紅茶を入れていく
[メイン]
アリス・カータレット :
「……い、いただきます……」
ちらちら、ひなたの方を向きながら口に付けている。
[メイン] 倉上ひなた : このカップ、巻き毛ちゃんのお気に入りなのかなぁ……?
[メイン] 倉上ひなた : そんなことを考えていると、アリスを目が合い。
[メイン] 倉上ひなた : ちびちび紅茶を飲むアリスにまた(あ、可愛い)なんて思ってしまうひなたであった。
[メイン]
巻き毛 :
「えっ! もう飲んじゃったんですか? 大丈夫ですよ、東雲先輩と私がいくらでも作りましたから!」
きりたんさんのティーカップにまた紅茶を注いでいく。
[メイン]
倉上ひなた :
「んん~~……それじゃあ、私もいただきま~す」
巻き毛へ、少し申し訳なさそうな顔を向けつつ。
[メイン] 倉上ひなた : ごく。
[メイン]
アリス・カータレット :
「わああ…これ、美味しいよ!」
イギリス人のアリスでもわかる、この紅茶の味。
とってもおいしい……!
[メイン] アリス・カータレット : にこにこ、と巻き毛に笑顔でそう伝えながら。
[メイン] きりたん : 「ドクペだけしかなくてむしろ正解だったかもしれませんね」
[メイン]
倉上ひなた :
「……おぉ~~~!!すごい!なんていうか、ザ・上品って感じがする!いい葉っぱ使ってるのかな?」
紅茶知識皆無な感想ながら、全力で褒める。
[メイン] 東雲和音 : 「イギリスは紅茶が本場だけれど、お口に合うならとっても嬉しいわ、そうよね?」
[メイン]
巻き毛 :
「! よかった、皆さんの舌に合うか不安だったんです!」
ふと、ひなたの視線に気づき、笑みを作る。
[メイン] 東雲和音 : 巻き毛の方を向いて。
[メイン] 巻き毛 : 「はい! とても嬉しいです、私、皆さんのお役に立てて……」
[メイン] 倉上ひなた : 巻き毛の笑みに、グッジョブサインで返す。
[メイン] 東雲和音 : いいわね…!
[メイン] 倉上ひなた : 「……うっし!このコタツと巻き毛ちゃんのおかげで体もあったまったし!」
[メイン]
巻き毛 :
「! ……」
少しだけ、きゅっと胸が締め付けられるような感覚に陥る。苦しいわけでも、いやな気が起こったわけでもない。
もっと違う何かに。
[メイン] 倉上ひなた : そう言い、コタツを出て。
[メイン] 倉上ひなた : 「いざ!探索だ~~!!」
[メイン] 倉上ひなた : 拳を突き上げる。
[メイン]
アリス・カータレット :
「うん、本場の私がいうんだから間違いなっしんぐだよ!」
にこにこぽわぽわ、としながら。
[メイン] アリス・カータレット : 「た、探索……!」
[メイン]
きりたん :
「いってらっしゃ~い」
上半身だけをこたつから出して手を振る
[メイン] 東雲和音 : 「もう一度あんまり迷惑かけないように…っていうのと…」
[メイン]
アリス・カータレット :
ごくり、と唾を飲んで。
……でも、この日本の旅館はとっても気になる……!!
[メイン] 東雲和音 : 炬燵からでてひなたの方に近づいて。
[メイン]
倉上ひなた :
「………?」
東雲先輩の方を見て。
[メイン]
東雲和音 :
「ちゃんと温かい恰好しなきゃだめよ?」
ぱっぱと手袋やマフラーを付けていく。
[メイン] 倉上ひなた : 「あ……!えへへへ……!!」
[メイン] 倉上ひなた : 子どもっぽい笑みを見せながら。
[メイン] アリス・カータレット : 「あっ………」
[メイン] 倉上ひなた : 「ありがとうございます東雲先輩!超あったかいです!」
[メイン]
巻き毛 :
「……あっ」
また、いいなあ……と思った私。
[メイン] 東雲和音 : その笑みに思わずギューっとなったが。
[メイン] アリス・カータレット : ……ちくっと、ひなたの笑顔に何かを覚えて。
[メイン] 東雲和音 : 「そ、そうね…外に行くんだったらちゃんと温かくね?」しどろもどろになりつつ
[メイン] アリス・カータレット : ………東雲先輩、ずるい…!
[メイン]
アリス・カータレット :
「私も大丈夫!さっき貰ったカイロと手袋があるもんね!」
ぽん、と炬燵の上に出して。
[メイン] 倉上ひなた : ………ほへ?
[メイン] 倉上ひなた : アリスと巻き毛の視線に、小首を傾げながら。
[メイン] 東雲和音 : わ、私の手袋をアリスが使ってる…!
[メイン]
倉上ひなた :
「お!マイカイロだね!それ、まだまだ持つと思うから、大事にするよーに!」
アリスにグッジョブサイン。
[メイン] 東雲和音 : これはお宝ね…!
[メイン] 東雲和音 : 「き…きっと温かいはずよ、しっかり付けなさいね?」
[メイン]
アリス・カータレット :
「う、うん!大切にする!一生!」
えへへへと、にこにこ笑いながらカイロを持っている。
[メイン] アリス・カータレット : わ……ぐってしてくれた…嬉しい…!
[メイン]
倉上ひなた :
え、一生……一生……!?
なんて、戸惑いながら。
[メイン]
巻き毛 :
「…………一生の……宝物ですかぁ」
二人には聞こえないよう、ぼそりと呟く。
[メイン] 巻き毛 : 私には、そんなの、無いな……。
[メイン] 倉上ひなた : ……少し心の中で、嬉しさも感じる。
[メイン] 東雲和音 : 「つ…使い捨てカイロを一生大切にしてもね…」
[メイン] 倉上ひなた : 「! あ、あはは~!そうだよアリス~!」
[メイン] 東雲和音 : 「その度に毎回融通すればいいんじゃないかしら」
[メイン] 東雲和音 : 「助け合いは大事よね」
[メイン] アリス・カータレット : 「う、うううぅ……そうかもだけどぅ…」
[メイン] 倉上ひなた : 「そうですね!助け合ってこその旅です!」
[メイン] 倉上ひなた : ………うぅ~ん……?
[メイン] 倉上ひなた : なんで私、さっき、モヤってしたんだろう……?
[メイン]
アリス・カータレット :
……ひなた、じゃなかった、友だちから貰った物だから…
大切にしたいんだよぅ……
[メイン]
倉上ひなた :
………分かんないし、考えても答えとか出てこないと思うし!
……ええい!今はこの旅行を楽しめ!私!
[メイン] 東雲和音 : 2人をちらちら見て、ふぅ~っと息をついて…
[メイン] 東雲和音 : 尊い…!
[メイン]
アリス・カータレット :
「……いいのっ!一人でも行っちゃうんだから!」
炬燵からしゅぽーん、と出て。
[メイン] アリス・カータレット : 手袋装着!カイロ装着!
[メイン]
倉上ひなた :
「キャーッチ!」
そのアリスを、ガシッ!
[メイン] 倉上ひなた : 「おしくらまんじゅう~!」
[メイン] アリス・カータレット : 「いってき……ふわあ!?」
[メイン] 東雲和音 : お…おしくらまんじゅう…!?
[メイン] 倉上ひなた : 悪戯半分、自分でもよく分からない動機半分。
[メイン]
巻き毛 :
皆、それぞれの世界を作り、彩りを豊かにしている。私だけ取り残される事に焦燥を覚えていると
目の前の二人がおしくらまんじゅうを始めて、「わっ」と声を漏らした。
[メイン]
倉上ひなた :
なんとなしに、抱き着いてみたくなった。
それだけ!
[メイン] アリス・カータレット : …ひなたがなんだか構ってくれない……!と、軽くふくれっ面になっていたところ。
[メイン] アリス・カータレット : 「わ、わあああ!?!?!?ひなたぁ…!?」
[メイン] 東雲和音 : 「さ…最近の子は進んでるわね…!?」
[メイン] 東雲和音 : 自分のことは棚に上げつつ。
[メイン]
倉上ひなた :
「え~~?ただのおしくらまんじゅうだよ~?」
と言いながらも、アリスの反応に嬉しさを感じながら。
[メイン]
アリス・カータレット :
ぎゅむう、とひなたとの体の接触面が大きくなる。
はわわわわわわ。
[メイン]
倉上ひなた :
「ほらほら!部屋の外は寒いかもだし!」
アリスの手を握り。
[メイン]
アリス・カータレット :
ぼふり、と。
顔だけが熱くなりながら。
[メイン]
アリス・カータレット :
「う、う、うん……」
その手を握り返す。
[メイン]
倉上ひなた :
「しゅっぱ~つ!」
アリスの腕を、少々強引に引っ張りながら、外へ────。
[メイン]
アリス・カータレット :
……な、なんで……こんなに慌てちゃうんだろう……
それになんだか、嬉しい……
[メイン] 東雲和音 : 「あらあら…行っちゃった…」
[メイン] アリス・カータレット : 「ふぇえ~~~!!」
[メイン]
巻き毛 :
私はその光景を見ているうちに、段々と二人には気づかれないように
後退していた。笑みを作りながら……。行ってらっしゃいの一言もかけられず。
[メイン]
アリス・カータレット :
そのまま、強引にも連れていかれる。
………しかしその強引さが、今はなんだかうれしかった。
[メイン] 東雲和音 : 「えーと…そこでゲームやってる子はいいとして…」
[メイン] 東雲和音 : 「巻き毛ちゃんはどうする?紅茶飲んでるばっかりじゃ味気ないわよね」
[メイン]
巻き毛 :
「えっ」
私にとって、それは不意の一言で肩を少し震わせて。
[メイン]
巻き毛 :
「え、はい、そ、そうですよね……」
少し、視線を合わせないようにしてしまった。
[メイン]
東雲和音 :
「?」
その態度に少し首を傾げつつ。
[メイン] 東雲和音 : 「せっかくの旅行なんだし、少しぐらい羽目外したっていいのよ?楽しまなきゃ、ね」
[メイン]
巻き毛 :
「…………羽目、外してもいいんですか?」
ずっと二人を追っていた目線が、今は私をずっと見ている。
[メイン] 巻き毛 : ……東雲先輩……。
[メイン] 巻き毛 : 「……でも外す羽目もなくって、なにせ私はりきってたのに……皆と一緒に旅行に行くんだ、って以外に特に理由もなく来ちゃって……」
[メイン] 東雲和音 : 「その割には、紅茶も食器も準備してきてたじゃない」
[メイン] 東雲和音 : 「温かい飲み物が飲めてとても助かったわよ」
[メイン]
巻き毛 :
「!」
今まで、二人を追っていた目線だけではない、かけていた言葉さえも、今は私に……降り注いでいて。
[メイン] 巻き毛 : 巻き毛を揺らしながら、私は作っていない笑みを浮かべていた。
[メイン] 巻き毛 : 「……東雲先輩……! ありがとうございます……!」
[メイン] 東雲和音 : ~~~~~!!!!!!
[メイン] 東雲和音 : か…か…
[メイン] 東雲和音 : 可愛い…!!!!
[メイン] 東雲和音 : 巻き毛ちゃん…こんな表情も出来たなんて…!侮れないわね…!
[メイン]
巻き毛 :
「……そ、その東雲先輩……も、もしよければ……せっかくなんですし
二人や、きりたんさんみたいに、私たちも……何かやりませんか!」
[メイン]
巻き毛 :
「あ、言っといてなんですけど……私……何にも考えてませんが……」
なにせこういう古びた旅館に来るのは人生で初めてで……。
[メイン] 東雲和音 : 「確かに…暇しててもあんまりね…」
[メイン] 東雲和音 : 「うーん…でも何が出来るかとかもね…こんな場所じゃ…」
[メイン]
巻き毛 :
「そ、そうですよね……じゃ、じゃあ……えっと……」
提案の言葉を紡ごうと、少し考える。ただ間が空くのもなんだから、二人分の紅茶をまた注いで……。
[メイン]
巻き毛 :
「…………東雲先輩の趣味って何ですか?」
話題を広げるために、そうぽつりと。
[メイン] 巻き毛 : いや、話題を広げたい為だけじゃない。
[メイン] 巻き毛 : 東雲先輩の事、なんだかもっと知りたくなった気がして。
[メイン] 東雲和音 : 私の趣味…それは…
[メイン] 東雲和音 : それは。
[メイン] 東雲和音 : 可愛い女の子の観察。
[メイン] 東雲和音 : 一応学校では生徒会長をしているが、その権限を使って可愛い子の情報を得たりしている。
[メイン] 東雲和音 : ただ…流石にそんなことをこの子の前で言うのは…
[メイン] 東雲和音 : 「え~と…う~ん…」
[メイン]
巻き毛 :
「!」
趣味を言い出しそうな先輩に、思わずずいっと近づいて。目をキラキラとさせていた。
[メイン] 東雲和音 : 「え…え~と…星の観察とか…?」
[メイン]
巻き毛 :
「へー……」
無関心というわけではない、むしろロマンチックだと思ってそうやって声を漏らしていた。星の観察、かぁ……
[メイン] 巻き毛 : 星の事、勉強してればよかったなぁ……。
[メイン] 巻き毛 : 「星、綺麗ですよね……!」
[メイン] 東雲和音 : 「…そうよね、綺麗よね!」
[メイン] 巻き毛 : 「だから、ここら辺だと夜になれば……綺麗で満天の星空! 見れそうですよね!」
[メイン] 東雲和音 : あなたの方が綺麗よとは口が裂けても言えない。
[メイン] 東雲和音 : 「あ~…なら…」
[メイン] 東雲和音 : 「探してみる?見れそうな場所」
[メイン]
巻き毛 :
「! いいんですか?」
友達としての付き合い、なんだけど、それ以上の事も期待していた私。
なんだかそれをチャンスだと思って、思わず笑みをこぼす。
[メイン] 巻き毛 : 「わ、私! 探します! 先輩と! だから! 夜になる前に!」
[メイン]
巻き毛 :
「一緒に! 探しましょう! ね!」
思わず、東雲先輩の手をとっていた。
[メイン] 東雲和音 : !?!?!?
[メイン] 東雲和音 : 手、手を握られてる!?
[メイン] 東雲和音 : 「そそそ、そうね!探しましょう!早く!」
[メイン]
巻き毛 :
「あ、あ、そうだ! ちょ、ちょっと待っててくださいね!」
雰囲気に押されるがまま、私は押し込んで隠していた荷物からある物を漁りだして、埃がついていないか、解れがないか……しっかり目を通して……。
[メイン]
巻き毛 :
「はい! 先輩! 私が編んだんですよ!」
手袋とマフラーの一式を渡す。
[メイン] 東雲和音 : 思考が停止する。
[メイン] 東雲和音 : 美少女の…お手製…手袋とマフラー…?
[メイン] 東雲和音 : それが…私に…?
[メイン]
巻き毛 :
実は、全員のサイズを目視で確認して、事前に作っていたけれど……渡すタイミングを逃していた……。
東雲先輩、すっごく気が利いてて……。
[メイン] 巻き毛 : でも東雲先輩には渡せて……よかった。
[メイン] 巻き毛 : それにしても東雲先輩って……皆の「お姉さん」みたい……先輩だからだもんね、ううん、誰かのお姉さんに東雲先輩がなりたいからなってるわけじゃないもんね。
[メイン] 東雲和音 : 少しの間、呆けて。
[メイン]
東雲和音 :
「そそそ、その!」
声が裏返りつつ。
[メイン] 東雲和音 : 「あ、ありがと…ね?」
[メイン]
巻き毛 :
「あ、ありがとう……!」
私はその一言を聞いた途端に、オウム返ししていた。
[メイン] 巻き毛 : 「……じゃ、じゃあいきましょうか! 星……綺麗に見れる場所!」
[メイン] 東雲和音 : 「じゃ、じゃあ行きましょうか!」
[メイン] 東雲和音 : …この提案には裏がないわけでもない
[メイン] 東雲和音 : …どこかに行ってしまった2人。
[メイン] 東雲和音 : きっと見てないところであんなことやこんなことをしているに違いない…!
[メイン] 東雲和音 : …その瞬間は、隠れながらも逃すわけにはいかないわね
[メイン] 東雲和音 : 2人のイチャコラを眺めつつ巻き毛ちゃんと楽しむ…!
[メイン] 東雲和音 : これね…!
[メイン] 東雲和音 :
[メイン] 巻き毛 : 白く
[メイン] 巻き毛 : ただ白く
[メイン]
巻き毛 :
そんな光景が広がっていた。一面の銀世界に、深い緑の彩りと
なんとか雪をどかした道路が、やっと人の営みを感じさせるほどの自然だ。
[メイン]
巻き毛 :
寒空の下、私は口元に両手を近づけると
わざとらしく肺を傾けたかのように息を吐く。手元から漏れるように白い息がふぅー、と吹き上がる。
[メイン] 巻き毛 : きっと、もう先輩から見て、この寒さのあまり私の鼻も耳もほんのり赤くなっている事だろう。
[メイン] 東雲和音 : …そうよね…
[メイン] 東雲和音 : 星の観察と言ったら外よね…
[メイン] 東雲和音 : あの2人を見失ったことに気づき、ふう、と白い息を吐く。
[メイン]
巻き毛 :
「先輩、えっと……」
ふと東雲先輩ではなく、先輩と呼んでみた。
[メイン] 東雲和音 : その顔は憂いを帯びていたが、巻き毛ちゃんの言葉に反応し。
[メイン] 東雲和音 : 「な、何かしら!巻き毛ちゃん!」
[メイン]
巻き毛 :
「あ!」
先輩のリアクションは予想以上に大きく、ちょっと驚きながらも。
[メイン] 巻き毛 : 「あ、え……あの……先輩、その……これ」
[メイン] 東雲和音 : 「な…何?」
[メイン] 巻き毛 : 熱いお湯の入った水筒を渡して、カイロ代わりにも、そして……。
[メイン] 巻き毛 : 「これで外でも紅茶が飲めますよ、私が紅茶の葉、もってますんで!」
[メイン] 東雲和音 : 「…!あ、ありがとう、巻き毛ちゃん!」
[メイン] 東雲和音 : 水筒を受け取って、その温もりを感じる。
[メイン]
巻き毛 :
先輩が、私の行為に喜んでくれてる。それだけで、嬉しい。
こうやって二人きりになって、一対一で誰かを喜ばせる事はなかったから。
[メイン]
巻き毛 :
友達の友達だとか、そんなんじゃない
先輩は私の事をちゃんと意識してくれてる。
[メイン] 巻き毛 : それだけで、嬉しい。
[メイン] 巻き毛 : 「では、絶景の為にも出発です!」
[メイン] 東雲和音 : 「そ…そうね!出発ね!」
[メイン] 東雲和音 : 民宿から遠ざかっていくことに心の中で涙しながら。
[メイン] 東雲和音 : 外の探索に向かう。
[メイン] 東雲和音 : 「あ~…」
[メイン]
巻き毛 :
下は綺麗な雪景色なのに、上はどこか淀んだ寒空。
私の心とはまったく真逆…………。
でもこの寒空は、淀みのない綺麗な星空に変わるんだろうなと考えると、唇を噛みそうになる。
[メイン] 巻き毛 : 「……?」
[メイン] 東雲和音 : と言っても、思ったより雪が深い。
[メイン] 東雲和音 : 周りの見通しが悪く星が見えそうな場所…といっても上手く探せないのだ。
[メイン] 巻き毛 : 先輩、やっぱり私と一緒にいるの、いやなのかな? やっぱりあの二人の方が……。
[メイン]
巻き毛 :
そんな事を勝手に考えるけれど、暗い表情はなるべく見せないようにして
雪の深い中、歩を運んでいく。
[メイン]
巻き毛 :
「…………どこも見通し悪いですね」
それはそれとして、私はそうぼそっと呟く。
[メイン] 東雲和音 : 「…天候も雪山だとどうなるか分からないし、本当に星見れるかしら…」
[メイン]
巻き毛 :
「そうですよね……先輩……星の観察が好きって言ってたのに、これじゃあ……」
星の観察はもしかすると期待できそうもない。私は思わず白い息をひと際大きく吐き出す。
[メイン]
巻き毛 :
「…………」
駄目だ、こんな空気。先輩と心が離れてしまいそうで怖い。
[メイン] 巻き毛 : 私は思わず、下に広がる深い、深い雪に手を伸ばした。
[メイン] 巻き毛 : 「先輩」
[メイン] 東雲和音 : 呼び留められて、後ろを振り返る。
[メイン]
巻き毛 :
「えいっ」
丸めた雪を、ひょいっ、軽く投げた。
[メイン] 東雲和音 : !?!?
[メイン] 東雲和音 : 「きゃっ!?」
[メイン] 東雲和音 : 雪が、服にぶつかって私は声を上げる。
[メイン] 巻き毛 : 「せ、先輩、あっ、きゅ、急にごめんなさい!」
[メイン] 巻き毛 : 「でも、その……ほ、星は見れなくても、雪はこんなにたくさんあるから……」
[メイン]
東雲和音 :
「…え?どうしたの急に…」
なんだこれめっちゃ可愛い
[メイン] 巻き毛 : 「雪合戦……は二人じゃ味気ないかもしれないけど……えぇっと……雪だるまとかは作れますよね!」
[メイン] 巻き毛 : ……さすがに、幼稚すぎたかな。
[メイン] 巻き毛 : 先輩に、そんな幼稚なの似合わなさそうだし……。
[メイン] 東雲和音 : …なんだ、紅茶入れたりマフラー編んでくれたり甲斐甲斐しいところはあっても…
[メイン] 東雲和音 : 子供っぽいところも、あるんじゃない。
[メイン] 東雲和音 : そのまま下から雪を取って。
[メイン] 東雲和音 : 巻き毛ちゃんにやさしくぽすっと。
[メイン]
巻き毛 :
「ひゃっ! …………せ、先輩! やりましたね~!」
笑みをこぼしながら、私は更に雪玉を作って投げ返していく。優しく。ぽすぽすと。
[メイン]
東雲和音 :
「な…全く…もう!」
笑いながら、雪玉を投げ返す。
[メイン]
巻き毛 :
ぽすっ、ぽすっ、優しく雪玉を投げ合う。
広大な世界、そしてその箱の中のそれでも広大な雪景色、寒空の下での
小さな、小さな雪合戦。じゃれあい。
[メイン]
巻き毛 :
私は、うれしくってうれしくって、調子に乗って投げ続けた
笑みを浮かべ続けた。心の底から。巻き毛を揺らして。
[メイン] 東雲和音 : 全身が雪まみれになりながらも、心の中は温かく。
[メイン]
巻き毛 :
「はっ、はぁー、はぁー……」
あっ、私……あまり体は動かさない方だから……こんなに優しい雪合戦だというのに
もう息が上がって、不意によろめいた。
[メイン] 東雲和音 : 「…大丈夫!?」
[メイン] 東雲和音 : 思わず、雪をおしのけながら駆け寄る。
[メイン]
巻き毛 :
「あっ」
ちょうど駆け寄ってきたタイミングで、私は先輩の方に寄りかかるようになって。
[メイン] 巻き毛 : 「ご、ごめんなさい、お姉さん……」
[メイン] 東雲和音 : 思わず、抱え込む。
[メイン] 巻き毛 : あっ。
[メイン] 東雲和音 : ん?
[メイン]
巻き毛 :
「せ、先輩……すいません……」
私は口元を抑える暇もなく、咄嗟に先輩と言い直す。
[メイン] 東雲和音 : 「ま、巻き毛ちゃん…今…」
[メイン] 東雲和音 : お姉さんって、と言いかけて。
[メイン]
巻き毛 :
「あ、あ」
まだ先輩は、察したことを言いかけていた所なのに私は焦って……
[メイン] 巻き毛 : 「あっ、その! 先輩って皆のお姉さん的な存在じゃないですか! だからそのお姉さんってつい言っただけです!! 気にしないでください! すいません!」
[メイン] 巻き毛 : 「気を悪くしたら!」
[メイン] 巻き毛 : 「本当ごめんなさい!!」
[メイン] 巻き毛 : 早口で、言い訳していた。何の言い訳にもなってない、我ながらそう思った。
[メイン] 東雲和音 : 「……」
[メイン] 東雲和音 : 「全然大丈夫よ」
[メイン] 東雲和音 : 「あなたからお姉さんって言われるの、すっごく悪くない気分だったわ」
[メイン]
巻き毛 :
「…………!」
その時、私は体の芯からきゅうう……とまるで氷が急速に溶けていくかのように、熱くなっていき。
[メイン] 巻き毛 : 思わず、抱え込んでくれた先輩をぎゅっと……。
[メイン]
巻き毛 :
「お姉さん……お姉さん……」
[メイン] 巻き毛 : なら何度でも言ってあげたい。そんな短絡的な考えが働いていた。
[メイン] 東雲和音 : 何故だろう、そんなことを言われると…
[メイン] 東雲和音 : 雪がまとわりついて、冷たくなっていた身体のはずなのに、
[メイン] 東雲和音 : 鼓動が高鳴って。
[メイン] 東雲和音 : 顔が熱くなっていく。
[メイン]
巻き毛 :
「……せ、先輩」
お姉さん、と三回ほど言ったところで息切れしかけて。深呼吸。
……そして声を再び絞り出す。
[メイン] 巻き毛 : 「先輩の事、……これからお姉さん……って呼んでいいですか?」
[メイン] 東雲和音 : お姉さん。
[メイン] 東雲和音 : 美少女、いや、巻き毛ちゃんからお姉ちゃん
[メイン] 東雲和音 : …ダメよ、私…!よこしまな考え持っちゃ…!
[メイン] 東雲和音 : でも…でもぉ…
[メイン] 東雲和音 : choice 欲に負ける 欲にすごく負ける (choice 欲に負ける 欲にすごく負ける) > 欲に負ける
[メイン] 東雲和音 : 「…いや…お姉さんじゃなくて…」
[メイン] 東雲和音 : 「お姉ちゃん、って呼んで?」
[メイン] 東雲和音 : うん、きっと、これなら大丈夫だろう、きっと、何がとか分かんないけど。
[メイン]
巻き毛 :
お姉ちゃん、って呼んで。
そう耳朶に触れたとたん、思わず息をのんだ。そして私は。
[メイン] 巻き毛 : 「お」
[メイン] 巻き毛 : 「お姉ちゃん……!」
[メイン] 東雲和音 : やば鼻血出そう
[メイン] 東雲和音 : 「そ…それでいいわ…!巻き毛ちゃん…!」
[メイン] 巻き毛 : 歯止めがきかなくなった欲望が一気に外へと雪崩れ込む。
[メイン] 巻き毛 : 「お姉ちゃん……!お姉ちゃん……!」
[メイン] 巻き毛 : 幸せ。
[メイン] 巻き毛 : そう私は確信した。
[メイン] 東雲和音 : あ~連呼されるとヤバい…ヤバいわ…
[メイン]
巻き毛 :
二人だけの世界。お姉さん……お姉ちゃんとだけの……二人だけの。
もう、お姉ちゃんは離さない、離れないで、絶対に……
[メイン] 巻き毛 : 「くしゅんっ」
[メイン] 巻き毛 : あっ、あっ、こんな時に、くしゃみなんて……。
[メイン] 東雲和音 : 「あ…あら…」
[メイン] 東雲和音 : 「ちょっと、寒くなっちゃったかしら」
[メイン] 巻き毛 : 「あ、だ、大丈夫、大丈夫……私は……くしゅんっ!」
[メイン] 巻き毛 : あっ、なんで、こんな時に、風邪なんてひきかけて。
[メイン] 巻き毛 : いやだ。
[メイン] 巻き毛 : こんな幸せな時間を、止めないで。
[メイン] 東雲和音 : 「大丈夫…大丈夫よ…そうだ!」
[メイン] 東雲和音 : 首にかけていたマフラーを外して。
[メイン] 東雲和音 : 2人を包み込むように、巻き付ける。
[メイン] 巻き毛 : 「!!」
[メイン] 巻き毛 : お姉ちゃんの匂いが、温もりが伝わってくる。
[メイン] 巻き毛 : 二人だけの世界。
[メイン] 巻き毛 : 私は、もう、蕩けて、うっとりとしてしまった。
[メイン] 巻き毛 : 「……お姉ちゃん……ありがとうございます……」
[メイン] 東雲和音 : 「ほら…これも…」
[メイン] 東雲和音 : 水筒を2人で抱えて。
[メイン] 東雲和音 : 暖を取る。
[メイン]
巻き毛 :
「……暖かい……」
お姉ちゃん「も」抱えてくれている水筒は一段と温かくて。
[メイン] 巻き毛 : 私は涙まで、こぼれはじめた。
[メイン] 巻き毛 : 「っ、ぐすんっ……うっ」
[メイン] 東雲和音 : 「う…ううぇえ!?ま…巻き毛ちゃん大丈夫!?」
[メイン] 東雲和音 : 思わず変な声が漏れる。
[メイン] 巻き毛 : 「先輩の事、お、お姉ちゃんって呼べて、こんな事までしてくれて……できて……」
[メイン] 巻き毛 : 「私、私……」
[メイン] 巻き毛 : 「すっごく……幸せで……」
[メイン] 巻き毛 : 次の言葉は紡げずに、私は目をつむって、もっと、お姉ちゃんの方に体重を預ける。
[メイン] 東雲和音 : やっば。よこしまな考えが止まらない。
[メイン] 東雲和音 : 泣いてる姿も可愛い…!!!
[メイン] 東雲和音 : しかも、しかも、寄りかかってきた
[メイン] 東雲和音 : そのまま倒れこまないように、しっかりと支える。
[メイン] 東雲和音 : 抱きしめる力が強くなって。
[メイン]
巻き毛 :
「……お姉ちゃん……」
支えられたことで、そしてさらにもっと、ぎゅっと抱きしめられて
私は雪景色に囲まれているというのに、もう寒さなんて忘れて……
[メイン] 巻き毛 : お姉ちゃん……私だけのお姉ちゃん……
[メイン] 巻き毛 : だから……
[メイン] 巻き毛 : ずっと……傍にいてくれるよね……?
[メイン] 東雲和音 : ん…?何か寒気が…?
[メイン] 東雲和音 : き、きっと冷たい風が吹いたからよね…
[メイン] 巻き毛 : 「……お姉ちゃん……帰ろう、星はやっぱ見れないかもしれないけれど……」
[メイン] 巻き毛 : 「私、私……ごめんなさい」
[メイン] 巻き毛 : 「星よりもきれいな物、見れちゃった……」
[メイン] 東雲和音 : 「…いいのよ…私もそういってくれて、とっても嬉しい…」
[メイン]
巻き毛 :
笑みをこぼしながら、私はまたくしゃみをして……
旅館の方へと……ゆっくり。この時間をなるべく長引かせながら。
[メイン] 巻き毛 : お姉ちゃん……お姉ちゃん……もうその事で頭がいっぱいになりながら。
[メイン] 東雲和音 : マ、マフラー繋ぎ通しだからちょっと歩きづらいけれども…
[メイン] 東雲和音 : 巻き毛ちゃんと近くに入れることで、頭の中がいっぱいになっていて。
[メイン] 東雲和音 : あ~~~~~……
[メイン] 東雲和音 : 尊い…
[メイン]
巻き毛 :
旅館の玄関まで……来ちゃった
もうこの時間も終わっちゃうんだ。
[メイン] 巻き毛 : どうか、これが夢ではありませんように。
[メイン] 巻き毛 : 夢ではありませんように……
[メイン] 巻き毛 : 夢では……
[メイン] 巻き毛 : こくり、こくりとうとうとしながら。私はそう願った。
[メイン] 東雲和音 : その姿を…
[メイン] 東雲和音 : 瞳に、焼き付けて。
[メイン] 巻き毛 : 私は、眠りに落ちそうになる。
[メイン] 巻き毛 : けれど、その時……私はお姉ちゃんの方をふと見た。
[メイン] 巻き毛 : 「ぁ……」
[メイン] 巻き毛 : 私だけを見ている。お姉ちゃん。
[メイン] 巻き毛 : 「……すぅー……」
[メイン] 巻き毛 : 私は夢へと浸かっていく。浅い、浅い夢の中……。
[メイン] 東雲和音 : 「あ…あれ…?」
[メイン] 東雲和音 : 「…ちょっと、疲れちゃったかしら」
[メイン] 東雲和音 : 「え…え~と…ここにいるわけにもいかないし、部屋まで運ばなきゃ…」
[メイン] 巻き毛 :
[メイン]
巻き毛 :
夢の中。お姉ちゃんは、そこにもいた。
私と、周りに何もない大自然に囲まれて。そこにポツンと建ったドールハウスのような所で、たった二人でテーブルを囲む。
[メイン] 巻き毛 : 他愛もない談笑。そして共有。……そしてそして……。
[メイン] 巻き毛 : 「……お姉ちゃん……」
[メイン] 東雲和音 : 「何かしら?巻き毛ちゃん?」
[メイン] 巻き毛 : 「……んん……お姉ちゃん……お姉ちゃん……!!! 行かないで……」
[メイン] 巻き毛 : 「どこ行くの?」
[メイン] 巻き毛 : 「私を、おいていかないで……」
[メイン] 巻き毛 : 「置いていかないでって……!!!」
[メイン] 巻き毛 : 「あ゛ぁあああああああああああっっっっっ!!!!!!!!!」
[メイン]
巻き毛 :
ガチャンっ、と音がしたと思えば
私は飛び起きていた。
[メイン] 巻き毛 : 畳に、まだ温かい紅茶が零れ。蜜柑もお菓子も散乱していた。
[メイン] 巻き毛 : 「はぁーっ……! はぁーっ……!?」
[メイン] 巻き毛 : 「お姉ちゃん、お姉ちゃん、どこ!? どこ!? どこ!!!!」
[メイン]
巻き毛 :
私は、視界にお姉ちゃんがいなくて、焦燥。
矢継ぎ早に、どこ、どこ、と同じ場所ばかりを見ていた。
[メイン] 東雲和音 : 「…大丈夫、ここにいるわよ」
[メイン] 巻き毛 : 「ぇっ」
[メイン] 巻き毛 : 「……!!!」
[メイン] 東雲和音 : 後ろから身体を支える。
[メイン] 巻き毛 : 「あっ、あっ……!」
[メイン]
巻き毛 :
私はその支えてくれていた手を、振りほどいて
自分の荷物を取りに行った。
[メイン] 巻き毛 : 見られた。
[メイン]
巻き毛 :
お姉ちゃんに、私の……!
思わず焦って、私は荷物の中身を全部、ぶちまけた。
[メイン]
巻き毛 :
お姉ちゃんに模した人形。それだけじゃなかった。
あの二人やきりたんに模した人形も。
[メイン] 巻き毛 : 『人形の』お茶会をするための一式が、ばらばらと畳に散乱した。
[メイン] 巻き毛 : 「ぁ、ぁ……」
[メイン] 東雲和音 : 「…巻き毛ちゃん」
[メイン] 東雲和音 : 「これは?」
[メイン]
巻き毛 :
「……」
私は黙ることしかできなかった。
けれど、同時にこの空気に耐え切れそうにもなかった。
[メイン] 巻き毛 : 「…………」
[メイン] 巻き毛 : そのまま、私はその場に蹲った。
[メイン] 巻き毛 : …………。
[メイン] 東雲和音 : 「教えて?これは何?」
[メイン] 巻き毛 : 「…………人形」
[メイン] 巻き毛 : しかし、ただの人形じゃないことなんて誰の目から見てもわかる。
[メイン]
巻き毛 :
なぜならその人形には、私が自分で切り刻んだ跡もはっきりと残って
何度も何度も直した跡まであるんだから。
[メイン] 巻き毛 : 一方的に、一方的に、人形だからと。
[メイン]
巻き毛 :
なんでこんな物を持ってきたのか自分でもわからない。
きっと、この旅行で思うようにいかなかったら、夜な夜な……また切り刻むため。
[メイン] 巻き毛 : 「……ごめんなさい……ごめんなさい……」
[メイン] 東雲和音 : 「…巻き毛ちゃん」
[メイン] 巻き毛 : 「…………何」
[メイン] 巻き毛 : せめて、何ですか、と言おうとしたのに。何、で止まってしまう。
[メイン] 東雲和音 : 「この人形…」
[メイン] 東雲和音 : 後ろから、迫る。
[メイン] 東雲和音 : そうして、抱え込むように、「ソレ」を覗いて…
[メイン] 東雲和音 : 「すっごく可愛い!!!!」
[メイン] 巻き毛 : 「……?」
[メイン] 巻き毛 : 「え……」
[メイン] 巻き毛 : 私は、思わず顔をあげた。
[メイン] 東雲和音 : 「…これ、私たちをイメージして…?」
[メイン] 巻き毛 : 「ぁ、ぁ……はい! 私っ、私っ、ずっと皆といたくて……!」
[メイン] 巻き毛 : お姉ちゃんは、私の汚いところまで可愛いと言ってくれた。
[メイン] 巻き毛 : いや、言ってくれるなんて……!
[メイン] 東雲和音 : 「ありがとう、こんなものまで作ってくれてたなんて…」
[メイン] 東雲和音 : 「…ただちょっと、まだ作るのは上手じゃないみたいね?」
[メイン] 東雲和音 : まるで何度も作り直したかのような痕を見て。
[メイン] 巻き毛 : 「はい……もっともっと、私……『優しく』します!」
[メイン] 巻き毛 : オブラートにまで包んでくれるなんて、お姉ちゃんは、やっぱり、お姉ちゃん。
[メイン] 巻き毛 : 好き。
[メイン] 巻き毛 : 好き好き好き。
[メイン] 東雲和音 : 「帰ったらもっとしっかり作れるように頑張りましょ?」
[メイン]
巻き毛 :
「はい! はい! うっ、ううっ、お姉ちゃぁ~ん!!!」
思わず、私はその優しさにこたえるかのように、迷惑かもしれないが飛びついていた。
[メイン] 巻き毛 : 「この娑婆世界で真に私を潤わせてくれるのは友達と、何よりお姉ちゃんしかもういません!!!」
[メイン] 巻き毛 : 「もう! もう! ずっと! 離れないでください!!!」
[メイン] 巻き毛 : 「お姉ちゃん抜きで、もう私……生きられません!!!」
[メイン] 巻き毛 : 汚いところを受け入れてくれた。もうそれだけで、お姉ちゃんに全部吐き出してもいいんだと、そう確信した。
[メイン] 東雲和音 : 思わず飛び込んで来てくれたのを抱きしめて。
[メイン] 東雲和音 : そこまで言われた経験がなかったから、頭が嬉しさだけで染まる。
[メイン]
巻き毛 :
私は、もうそのままぎゅうっと抱きしめ返す。
あの二人が戻ってきたら、お姉ちゃん……きっと目移りしちゃう。
[メイン] 巻き毛 : だから、こうしてなるべく私の匂いを体温を、染みつかせる。
[メイン] 東雲和音 : やっばめっちゃいい匂いする
[メイン] 東雲和音 : 多幸感で、為すがままに。
[メイン]
巻き毛 :
「お姉ちゃん……お姉ちゃん……」
私はまたそう連呼しながら、徐々にお姉ちゃんと視線を合わせて。
[メイン]
巻き毛 :
「……」
ぴたっ、と思わず止まってしまう。
[メイン] 巻き毛 : このお姉ちゃんは、人形じゃない。だから……。
[メイン] 巻き毛 : いきなりは……ダメだよね?
[メイン] 東雲和音 : その目に映るのは巻き毛ちゃんだけ。
[メイン] 東雲和音 : なんて可愛いのでしょうこの子は。
[メイン] 巻き毛 : ……お姉ちゃんの瞳、まるで人形のように何もかもを映していた。そしてそれを覗き込む私の表情も……。
[メイン] 巻き毛 : 思わず、私は。
[メイン] 巻き毛 : お姉ちゃんの、頬に……。
[メイン] 巻き毛 : 唇を。
[メイン] 巻き毛 : 「……んっ」
[メイン] 東雲和音 : き。
[メイン] 東雲和音 : ききききき。
[メイン] 東雲和音 : キスされた?私?
[メイン] 東雲和音 : イヤイヤ、嘘よね。
[メイン] 東雲和音 : 思わずほっぺをつねる。
[メイン] 東雲和音 : 痛い。
[メイン] 巻き毛 : 「お、お姉ちゃん!」
[メイン] 巻き毛 : 「ほっぺをそんなにつねったら痕が残っちゃうよ」
[メイン] 巻き毛 : 私は、お姉ちゃんがつねった方のほっぺにも。
[メイン] 巻き毛 : 「んっ……」
[メイン] 東雲和音 : えっなにこれ。
[メイン] 東雲和音 : やっぱり夢じゃないかな。
[メイン] 東雲和音 : 夢なら…夢なら…
[メイン] 東雲和音 : 大胆になってもいいのかな…
[メイン] 巻き毛 : 「……お姉ちゃん、もう一生分お返ししないとね……私、一生お姉ちゃんの事……大切にするからね……」
[メイン] 巻き毛 : もう、お姉ちゃんしか見えない私はそう耳元で。
[メイン] 東雲和音 : もう脳みそが情報過多で受け取ってくれない。
[メイン] 東雲和音 : 反射で巻き毛ちゃんの方を見る。
[メイン] 東雲和音 : 正面で。
[メイン] 東雲和音 : くっつきそうな距離で。
[メイン] 巻き毛 : 「……だから、お姉ちゃん」
[メイン] 巻き毛 : 「どうやって学校に登校してるかも、その道も、住所も、電話番号も、お姉ちゃんのお気に入りの場所も全部教えてね」
[メイン] 巻き毛 : 「家族構成も一応訊いとかなきゃね? あっ、あと今までどんな人生を送ってきたかも知りたいな、アルバムとかお姉ちゃん持ってるかな? それからえっと、えっと」
[メイン] 巻き毛 : 私は、とにかくお姉ちゃんのすべてを私という箱に詰め込みたくて、矢継ぎ早に訊き続けた。
[メイン] 巻き毛 : 「……ぁ……ごめんお姉ちゃん、一方的だったよね? 迷惑だったよね? ……お姉ちゃん?」
[メイン] 東雲和音 : 最早あまり耳に入ってきてないが巻き毛ちゃんの言うことならきっと大丈夫なのだろう。
[メイン] 東雲和音 : 「うん、うん」と返事をし続ける。
[メイン]
巻き毛 :
「!! やった……お姉ちゃんっ、お姉ちゃんっ……」
すると、私の中で決心が芽生えた。
[メイン] 巻き毛 : お姉ちゃんが私を受け入れてくれたんだ、それに私も一生分お返しすると決めたんだから。
[メイン] 巻き毛 : いいよね?
[メイン] 巻き毛 : 迷惑じゃないよね?
[メイン] 巻き毛 : ね?
[メイン] 巻き毛 : 私は、唇を
[メイン] 巻き毛 : お姉ちゃんの、無防備な唇に
[メイン] 巻き毛 : 重ねた。
[メイン] 東雲和音 : こんな素敵な夢見てちゃだめだよなあ…
[メイン] 東雲和音 : 私ったらなんてよこしまなのだろう…
[メイン] 東雲和音 : もう少しだけ楽しも…
[メイン]
巻き毛 :
ああ、長生きしたいな、お姉ちゃんと
私はきっと一瞬だったであろう、この唇と唇が触れた瞬間の中でそう思った。
[メイン] 巻き毛 : 人類が衰退するまで……いや衰退しても続くぐらい
[メイン] 巻き毛 : お姉ちゃんと、一緒に……
[メイン] 東雲和音 : ああ、この呼吸や鼓動の音が…
[メイン] 東雲和音 : どんどん早くなって、ビートを刻んで。
[メイン] 東雲和音 : いつの日かそれはきっと…
[メイン] 東雲和音 : フロアを沸かすほどの歓声になって…
[メイン] 東雲和音 :